<   2007年 11月 ( 8 )   > この月の画像一覧

 

3gatu2niti 面談日2

電車に乗った。久しぶりだ。
歩いて国民生活金融公庫のビルに向かった。
スーツを着るとなぜか早歩きになる。でもこれでいい。
だらだら歩いてスーツが様になるほど着こなしてない。
それに俺は緊張している。
手前のコンビニで最後の仕込をした。自分の経歴書のコピーをとった。

      経歴書  島田功

1970年 生まれ

          中略
 
1992年 22歳 ロックスターを目指して上京  
1993年 23歳 音楽活動に支障をきたさない仕事として築地大栄青果に入社。
1995年 25歳 ロックスターに成ることを挫折。飲食店用青果物卸の仕事を立ち上げに参加。

          中略
1999年 29歳 市場で捨てられる大量の傷物の果物をカクテルにして再利用することを思いつく。

          中略
2002年 32歳 バーボンハウス設立
2004年 34歳 北中通り商栄会 役員に就任。商店会のイベント事業を担当。
      馬橋南自治会 組長に就任。御輿の担ぎ手募集担当。

          中略
2007年 現在盛業中


少しはマシに見えるかと思って書いたけどしょぼい。あまりにしょぼい。
一貫性があることはあるがノッケから間違ってる。ロックスターって。25歳挫折。
ただ意外と恥ずかしくない。
こんなもんだったな。俺って。
謙虚な気持ちで面接に向かうことができた。
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-29 20:00

3月2日 国金 面談日

前の日は酒を飲まずに店を閉めた。店に泊まった。
起きてスーツに着替えて書類を持って喫茶店に行った。
美容師さんは先に来ていてコーヒーを飲んで待っていた。
お互い酒抜きで語り合うのにやっと慣れてきた頃なのに。コノ会も今日で最後だと思うと少し寂しい。
「バーボン怪しいよその格好。スーツにポニーテール。ちょっと髪切ってやればよかったな。」
 「そうだね、なんか俺がやるとみすぼらしいね。ファッション誌とかにはありそうなスタイルなのに」
「まあ、ここと、ここをカットして、ここをこうすれば、まあ時間もないしな。バーボンあとは気合よ!」 
 「結局、精神論かよ。」
「7-3でいけると思う!」
 「結果はゼロかイチだよ。いままで本当にありがとう。そろそろ行くわ!」
「あとは気合だぞ!気合!」
 「わかった!気合ね。俺もそこまで応援されたら結果見せるよ。」

会計を済まそうとレジに向かうと、後ろから俺が払うからはやく行け!と言う声が聞こえた。
そのまま店を出た。
急いで駅に向かった。
  
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-27 16:07

2gatu gejyunn

国民生活金融公庫に行った。
相談窓口で書類を提出した。
 「保障人が決まりました。」
「あーそうですか、それはよかったですねー。では面談の日取りを決めましょう。一週間後の今日、昼1時からということでよろしいですか?」
 「お願いします。」
「それまでにコレとソレとアレを用意してくださいね。」
 「わかりました。」

喫茶店に行った。
美容師さんに事の成り行きを報告をした。
「おめでとー。バーボンあとは気合よ!気合!」
 「気合って。いきなり精神論かよ。」
「事業計画書には無理はないし、まあオイラが見たところ7-3でいけると思う!」
 「7-3って結果はゼロかイチだろ。シビアにいくよ。」
俺は少しナーバスになっていた。

「まあ、あとはバーボンしだい!」
 「俺しだい、うん。それを知っといてよかったわ。」いつもそうだった。


それからの一週間。
した事といえば書類の整理と借りた20万を少しずつ貯金通帳に入れたことぐらいだ。

どんな大勝負の前でも店を開けたら俺は無防備だ。
経験と勘で起きる事に対処することに集中する。してしまう。
どんなことが昼間にあっても俺の都合はカウンターの中では無意味だ。
これはこれで最高だ。

自分が自分でなくなる瞬間を毎日味わってる。
来てくれた人に感謝。
ナーバスってなに?ってかんじだったよ。おかげで面談の当日はあわてたけどね。


 
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-26 05:57

2月下旬

俺は喫茶店にいる。
毎日。男2人で。
作戦会議はいつも喫茶店だ。
美容師さんは予約の合間に俺はその時間に合わせて、だいたい昼から夕方にかけて。
バーテンと美容師、なりは若いが40前の男が毎日喫茶店であって話し込んでる。
たぶんゲイにも見えないだろう。俺達はくたびれすぎている。
ただお互い目を輝かせながら夢を語ってはまた作戦会議に戻るといった事をくりかえした。
国金で借りられると信用がでかいらしい。
銀行も信用してくれるらしい。
「つまりバーボン!でかい金を動かせるようになるんだぞ!」
結局は返さなければいけない金、返す算段がなければ借りても意味はない。

この人は今までいろんな人の相談に乗ってあげたらしい。でかい男だ。
「確率的には6対4でだめだった。手を尽くしてもその程度。」
らしい
「大富豪が保証人になってくれれば話は別だけど、オイラごときじゃ屁のツッパリは要らんですよってとこよ。」
キンニクマンだ。
「と言うわけなんでそろそろ書類を書いてもう一回相談窓口にいってみ?あとこれがオイラの経歴書。こいつも添えてね。」
「あとネックはバーボンは貯金ないよね。自己資金ゼロだから、たいした足しにはならないけど、この金を預金しときな。何回かに分けて預金するんだぞ。そして事がすんだら返してね。」
20万あった。

帰って事業計画書や確定申告書、納税証明書などそろえた。
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-24 17:20

2gatugejyunn  

それからしばらくはなんとなく過ごして、なんとなく店を開けて閉めて。
昼間は確定申告をしたりした。
税金はヤッパリ全額は払えず分割にしてもらった。

昼間にタコスの仕込をしていると美容師さんから連絡があった。
「どうだった?その後は」
 「だめだったよ。保証人なしでは話にもならなかった。」
「あーそう、、、、、、、俺が保証人になってやろうか?」
 「え、うそ、なんで?」
「バーボンなら大丈夫でしょ、そのかわり俺が店を出すのこれからも手伝ってね。」
 「それは手伝うけど、それはそれとしてヤッパリいいわ。大丈夫。」
「あーそう」
 「ちょっといい夢見たわ、今までどうりやってくよ。自分のサイズに合わせてちょっとずつ、小さくまとまらないように自分のサイズをちょっとずつ広げていくよ、それで今までなんとかやってたから。それによく考えてみるとお金を持つのがちょっと怖いってのもあるから。自分の手ごたえのある金しか信じないようにしていたから。」
「あーそう、バーボンのそういうとこ好きよ。まあ、気が変わったら連絡してよ。」


それから店を開けた。
スゴイ暇な日だった。

気が変わった。

次の日に連絡した。
 「やっぱり、保証人になって。」
「いいよ。じゃあ作戦会議でもしようか。」
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-22 18:25

2月下旬 それから

それから

国民生活金融公庫に行ってみた。
というのも商工会議所で相談を受けてくれた人がはやく顔を出しなさいと電話で言うからだ。
まだそんな時期じゃないと思っていたが相談だけでもしてみろというので行く事にした。
手探り状態の時は何でも真に受けてそのまま実行して学べ。俺の言葉。
スーツを着て行ってみた。少しアレンジ。でも自転車。

いろいろな融資制度を教えてくれた。
どれも俺には無理な融資制度だ。保証人の有無?
無。
あるわけねえ。
恥かきっ子の俺のオヤジはとっくに日本人男性の平均寿命を超えてるし。
かといってボケてるわけじゃない。俺の提案には必ず完璧なノーと言う答えを持っている。
3人いる兄貴、絶対無理、他人以上に無理。
完璧な嫁さんがいて完璧な子供達がいる。彼らはイサオおじちゃんは八百屋さんで働くおじさんと思っている。
俺が飲み屋をやっている事は島田家の最高機密になっているらしい。
みんな知らない。俺が何を生業にしているか。理由?
みんなに迷惑かけるかもしれないから。それだけで俺は正月に口数が減る。
俺はそんなつもりはことさらないが気にする人はいるだろう。それだけ、自分は語れない。

「保証人のあてはありませんしそのつもりはありません。」
もう一ちょだめもとで言ってみた。
「でも自分は東京都知事の推薦をもらった飲食店です。」
答えはこうだ。「我々は金融機関でありますので島田さんが返済可能かどうかを判断するのです。推薦に関しては特に考慮の材料になりません。」

中略

俺はパンフレットを指差して(またパンフレットだよ、どこ行ってもそうだ。人は紙に印刷されている事には従順だ)
 「でも、ここに保証人、担保が必要のない融資制度があるじゃないですか。」
「これは法人向け融資なんですよ。法人ですと島田さん自身がこの法人の保証人になれるのですよ。法人登記してみてはどうですか?」
チンプンカンプンだぜ。出来るか!
 「じゃあ、この融資は?」
「これは不測の事態におちいった事業者向けの融資制度です。今多いのが原油価格の上昇に影響を多大に受けている事業者です。運送業など・・・」
不測の事態だと!この商売初めて不測の事態の連続だ。
通りの手前に同業者が出来るたびに何回も店は潰れかけた、俺は何も言わなかった誰の力も借りなかった、おかげで人一倍努力できたぜ!ちくしょー!OKならこの制度は?
「この制度はこれから事業を始める人、もしくは始めてから2年以内の人に向けての融資制度なんです。島田さんの場合はもう4年を超えてますし。」
 「そんなバカな、2年以内って。4年やった俺の2年前なんて今でもぶん殴ってやりたいぐらいのボンクラでしたよ。」
「島田さん、おっしゃりたい事はよくわかります。2年しか経験のない事業者と4年の経験をもった島田さんではどちらが信用できるかと言ったら答えは明白です。でもこれは国が決めた制度なんです。我々は金融機関ですが国が決めた制度にのっとった融資しか出来ないのです。これはそういう制度なんです。」
 そう言われたらぐうの音も出ない。
帰ることにした。
 
外に出ると辺りはもう暗くて。
今日店を開けるための買い物のメモを見た。早く帰んなきゃ。

少し乱れたスーツで自転車に乗って俺は思った。
また思いを胸にしまいこまなきゃと。
また。

少し涙が出た。

 
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-13 06:38

2月中旬  言われた事を疑わず全部やってみた。

相談に乗ってくれてる美容師さんが言っていた事を全部やってみた。

1日目
商工会には入っていない。
でも、話しによるとそういうところの推薦があるといいらしい。
行ってみた。
話を聞いてくれた。
国金の担当者に連絡してくれた。
まあ、それだけ。

2日目
社交飲食店組合。ここの推薦をもらうといいらしい。
しかし、調べれば調べるほどお近づきになりたくはないなと思った。
電話で組合の長が自分の店に飲みに来なさい、話しはそれからとのことだった。
丁寧にお断りした。
説明の出来ない勘が働いた。

3日目
新宿都庁。都知事の推薦をもらうといいらしい。
スーツを着て自転車で都庁にいった。
受付でその旨を話すと都の融資課に通された。
都知事は推薦を出さないらしい。
都の融資制度の分厚いパンフレットをもらった。
途中で捨ててやろうと思ったけどやっぱりもって帰った。

4日目
生活衛生業組合の指導を受けるといいらしい。
そこが都知事に推薦してくれて、都知事が国金に推薦してくれるらしい。ややこしい。
バイクに革ジャンで行った。
事務所に通された。
面談室とは名ばかりのガラスで仕切られただけの別室に行くように言われた。
面談室で待っていると老人がパンプレットをもって表れた。
パンフレットを読んでる、読んでる、ひたすら読んでる。そして黙る。
自分が喋る番だと気づくのに30秒ほどの沈黙が必要だった。
 「自分は高円寺でバーボンハウスという飲み屋を営んでおります。生活衛生業の営業指導をしてもらいたくて来ました。」
老人はまたパンフレットを読み出した。すでに読むべきページはセットしてあった。今度はやたら長げぇ。もはや俺も聞いていない。
沈黙が来た。俺が喋る番だ。まいったな。こういうヤカラと話がかみ合った事はない。回りくどくなくしてもらいたい事だけ伝えよう。
 「実は店を拡張したくて、国金からお金が借りたくて、ここで営業指導を受けると都知事に推薦がもらえるときいたので来ました。都知事に推薦してください。」
「都知事に推薦はしません。そういう制度はありません。」
しょうがない。とりあえず俺の喋る番が来たのでどうして自分が店を拡張したいかを語った。
なんで、俺はこうしたいか!

ごめん、ちょっと長かった?
意外なことに老人はちゃんと聞いていてくれた。
けどやっぱりまたパンフレットを読み出した。
で俺の喋る番。もはや同じ事しか言う事がない。言いたいことはさっき語っちまったから。
そして老人の朗読。俺が同じ事を喋る。
いったいいつまでこの堂々巡りが続くんだ。
老人の朗読を少し真面目に聞いてみた。老人も同じところを朗読しているだけだった。
同じ事を繰り返すこの人の気持ちを察してみようと思った。
朗読する文面から察するに国益に反する飲み屋には営業指導できない、そんなことだった。
俺なりに察して言う事を変えてみた。
 「ウチはバーボンハウスと言う名前だけど一番の売りのメニューはカレーです。その宣伝広告もしています。最近はタコスやTEXMEX料理にも力を入れています。」
「じゃあ、料理も出してるんですね?」
 「ウチはやたら酒の種類の多いカレー屋です。」
保健所の営業許可証を見せた。提供する物の欄に カレー ビール コーヒーと書いてあった。

老人は青い紙を俺にくれた。
都知事の推薦状だ。
この者は生活衛生業の営業指導を受けた事を認めます。東京都知事 石原慎太郎。
そんな事が書いてあった。
都知事には推薦してくれなかったけど都知事の推薦状みたいなものはもらえた。

一人で仕事をしているので忘れていた事があった。
組織に入ると自分の言葉では喋れない事や場面がたくさんあるんだな。
あの老人には感謝したい、何回も同じところを読んでくれて。
察する事ができてよかったわ。
役に立つのかは判らないけどこの青い紙は使わせて貰います。
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-09 17:28

2月中旬 信じがたい話

「バーボンなら国金からお金が借りられるよ」相談にのっていた美容師さんから言われた。
信じがたい話だ。
恥ずかしい話しだけど、最近やっとこさ消費者金融の借金を返し終わったばかりだ。
恥ずかしい話しだけど、八百屋の時に作ったクレジットカードはもうない。吸い込まれた。
恥ずかしい話しだけど、元彼女から借りたお金をやっと返し終わったばかりだ。

そんな自分は人からお金を借りる事なんてとんでもない事だと思っていた。
自分にはそんな資格のない人間だと思っていた。
いつのころからか俺は自分で稼いだお金しか信用しないことにしていた。そう自分に言い聞かせていた。それがお前のサイズだと。嘆くな!あるもので何とかしろ。

「バーボンは税金ちゃんと払ってるよねー」
 「うん」
「青色申告?」
 「ウン、青にしないと払えないよ。」
「じゃあいけるかもしれないよ。」
 
もしそれが本当なら俺はやりたい事が山ほどあった。
いつもそんな事ばかり考えていた。
でも、自分のサイズはこの程度とその思いはいつも胸にしまいこんでいた。
その思いを成し遂げるために何年も何年もかけて、疲れきっちまって諦めて、これでいいんだと最悪の現状を受け入れるようになるんじゃないか。いつも怯えてた。
 
プロジェクターを買ったときのことを思い出した。
たまに思う事がある。店に設置すると決めたときにすぐ出来ていたらどーなったんだろう。
近所に大手の飲み屋が出来た時のことを思い出した。
最初は通り側を立ち飲みスペースにしていたが結果が出ないとなるとすぐにおしゃれなローテーブルと椅子に変えた。
俺にはそんな芸当は出来ないと思った。今の俺は失敗とわかっていてもやり遂げてしまう。
理由は買い換えるお金お稼ぐまでは次のことが出来ない。お金がないから。
そのスピードがうらやましかった。

俺は経験からしか学べないタイプの人間だ。要するにバカだ。
バカにとって経験することが出来ないのは一生バカでいろって事に等しい。
お金のかかる経験を得るには時間がかかりすぎる。
それはしょうがない事として受け入れてきたけど、胸に押し込んだ思いは増えていく一方だった。

 「それは本当なの?」
「オイラ、金借りるのうまいよ。相談に乗るよ。」
金を借りるのがうまいって、信用していいのだろうか。そうゆうもんなのか。

気が付くと俺が相談を聞いてもらってる立場になっていた。

 
[PR]

  by kouenji-bourbon | 2007-11-06 11:05

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE