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2月中旬  言われた事を疑わず全部やってみた。

相談に乗ってくれてる美容師さんが言っていた事を全部やってみた。

1日目
商工会には入っていない。
でも、話しによるとそういうところの推薦があるといいらしい。
行ってみた。
話を聞いてくれた。
国金の担当者に連絡してくれた。
まあ、それだけ。

2日目
社交飲食店組合。ここの推薦をもらうといいらしい。
しかし、調べれば調べるほどお近づきになりたくはないなと思った。
電話で組合の長が自分の店に飲みに来なさい、話しはそれからとのことだった。
丁寧にお断りした。
説明の出来ない勘が働いた。

3日目
新宿都庁。都知事の推薦をもらうといいらしい。
スーツを着て自転車で都庁にいった。
受付でその旨を話すと都の融資課に通された。
都知事は推薦を出さないらしい。
都の融資制度の分厚いパンフレットをもらった。
途中で捨ててやろうと思ったけどやっぱりもって帰った。

4日目
生活衛生業組合の指導を受けるといいらしい。
そこが都知事に推薦してくれて、都知事が国金に推薦してくれるらしい。ややこしい。
バイクに革ジャンで行った。
事務所に通された。
面談室とは名ばかりのガラスで仕切られただけの別室に行くように言われた。
面談室で待っていると老人がパンプレットをもって表れた。
パンフレットを読んでる、読んでる、ひたすら読んでる。そして黙る。
自分が喋る番だと気づくのに30秒ほどの沈黙が必要だった。
 「自分は高円寺でバーボンハウスという飲み屋を営んでおります。生活衛生業の営業指導をしてもらいたくて来ました。」
老人はまたパンフレットを読み出した。すでに読むべきページはセットしてあった。今度はやたら長げぇ。もはや俺も聞いていない。
沈黙が来た。俺が喋る番だ。まいったな。こういうヤカラと話がかみ合った事はない。回りくどくなくしてもらいたい事だけ伝えよう。
 「実は店を拡張したくて、国金からお金が借りたくて、ここで営業指導を受けると都知事に推薦がもらえるときいたので来ました。都知事に推薦してください。」
「都知事に推薦はしません。そういう制度はありません。」
しょうがない。とりあえず俺の喋る番が来たのでどうして自分が店を拡張したいかを語った。
なんで、俺はこうしたいか!

ごめん、ちょっと長かった?
意外なことに老人はちゃんと聞いていてくれた。
けどやっぱりまたパンフレットを読み出した。
で俺の喋る番。もはや同じ事しか言う事がない。言いたいことはさっき語っちまったから。
そして老人の朗読。俺が同じ事を喋る。
いったいいつまでこの堂々巡りが続くんだ。
老人の朗読を少し真面目に聞いてみた。老人も同じところを朗読しているだけだった。
同じ事を繰り返すこの人の気持ちを察してみようと思った。
朗読する文面から察するに国益に反する飲み屋には営業指導できない、そんなことだった。
俺なりに察して言う事を変えてみた。
 「ウチはバーボンハウスと言う名前だけど一番の売りのメニューはカレーです。その宣伝広告もしています。最近はタコスやTEXMEX料理にも力を入れています。」
「じゃあ、料理も出してるんですね?」
 「ウチはやたら酒の種類の多いカレー屋です。」
保健所の営業許可証を見せた。提供する物の欄に カレー ビール コーヒーと書いてあった。

老人は青い紙を俺にくれた。
都知事の推薦状だ。
この者は生活衛生業の営業指導を受けた事を認めます。東京都知事 石原慎太郎。
そんな事が書いてあった。
都知事には推薦してくれなかったけど都知事の推薦状みたいなものはもらえた。

一人で仕事をしているので忘れていた事があった。
組織に入ると自分の言葉では喋れない事や場面がたくさんあるんだな。
あの老人には感謝したい、何回も同じところを読んでくれて。
察する事ができてよかったわ。
役に立つのかは判らないけどこの青い紙は使わせて貰います。

  by kouenji-bourbon | 2007-11-09 17:28

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